2005年12月 4日 (日)

サントリーの工場閉鎖

11月25日付の北海道新聞経済面に、こんな記事が掲載されていました。

サントリーは24日、千歳工場(北海道千歳市)を2006年3月末で同社としての操業を休止すると発表した。工場設備が老朽化し、生産効率が低下していたためで、建物や製造設備は日本アスパラガス(北海道岩内町)に譲渡する方針で、サントリーからの委託生産で同社が清涼飲料を引き続き製造する。サントリーの従業員20人は道外工場や道内の営業部門などで雇用を継続する。
同工場は1967年に洋酒の瓶詰め工場として操業開始し、70年代からは清涼飲料の製造を開始した。2001年に洋酒の扱いを休止し、現在はウーロン茶・清涼飲料・焼酎の生産やビールのたる詰めなどを行っていおり、2004年度には清涼飲料の道内消費量の3割程度を生産している。
なお、譲渡先の日本アスパラガスは岩内町に工場を持ち、サントリーを含む大手の清涼飲料を受託生産しており、同社としては大消費地の札幌近郊に生産拠点を持てるのは物流コストの削減などでメリットが大きく、設備を更新して千歳での生産拡大も考えている。

サントリーの創業事業はもちろんウイスキーですが、最近ではウイスキー自体が焼酎系に押されて陰が薄くなっていますね・・・ 清涼飲料はアルコール飲料と異なり生産委託が簡単にできるわけで(ダイドードリンコのように自社生産を一切行わない会社もあります)、あえて自社工場にこだわることはないと判断したのでしょう。サントリーと日本アスパラガスの間では人件費水準に大きな差があることは確実ですから、同じ生産設備で同じ清涼飲料を造っても損益分岐点が大きく下がるので採算が取れるのでしょう。この「日本アスパラガス」社ですが、アスパラガスを日本で初めて栽培することに成功させたの農学博士の下田喜久三氏が1924年に出身地の岩内町に設立した会社で、同町には日本のアスパラガス発祥の地碑もあります。当初は社名のとおりアスパラガスの缶詰製造がメインでしたが、近年はサントリーをはじめとする大手ビール系会社の生産受託がメインです。

なお、このニュースは毎日新聞の北海道版には掲載されましたが、サントリーの公式サイトや日本経済新聞(北海道経済面も含め)・日経産業新聞・日刊工業新聞・フジサンケイビジネスアイには掲載されていません。

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2005年11月13日 (日)

代表権を持たないフランス人の株式上場企業社長

世界規模でメガネ小売チェーン店「メガネの三城」「Paris Miki」を展開する株式会社三城ですが、10月10日付で新社長にフランス人が就任しました。
http://w3sv01.paris-miki.co.jp/paris-miki.com/profile/pdf_files/release_20050922.pdf

大学で土木工学と経済学を専攻し、卒業後にMBA取得後ヨーロッパの企業を渡り歩き、この6月に同社の副社長に就任したそうです。ただ、ユニークなのは社長にもかかわらず会社の代表権を持たないことですね・・・ 

逆に、リリース文の末尾にあるとおり代表権を持っているのは会長さん(姫路のどこにでもあるメガネ屋さんを、1973年のフランス進出を皮切りに急速に事業を拡大させ、国際的な企業に育て上げた偉大な方です)とその息子さんの平取締役(かつて同社の代表取締役社長を務めていた)の2人です。

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2005年10月21日 (金)

交通安全協会の加入者激減のわけ

神戸新聞のサイトに、10月20日付でこんな記事が掲載されました。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/00042796sg200511201000.shtml

交通安全協会といえば、全国各地の免許更新センターの免許更新手数料の受け取り窓口で「さも加入が義務であるかのように振る舞い協会費を徴収していく」というドライバーにとっては悪名高い?存在でしたが、公的機関の外郭団体への風当たりが強まる中、さすがに批判の高まりに耐え切れなくなったのか窓口を分離しました。その途端に加入率が50%から20%まで落ち込んだそうです・・・ 

いかにこれまで自分たちが「甘い世界」に生きてきたかをようやく思い知っているようですね。

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2005年10月12日 (水)

不適当な図柄の選挙啓発ティッシュ

神戸新聞のサイトに、10月9日付でこんな記事が掲載されました。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/00042199sg300510091000.shtml

ポケットティッシュですから26万個でも80万円分の無駄で済んだわけですが、それ以前に「病院に急患が来たのに、医師が選挙に行ってくると書き置きして不在となっている」場面を描いたという誤解を招きやすい作品を、コンクールで特選に選んだ審査員の神経が疑われますね。

ちなみに神戸市長選挙は各党相乗りの現職・青年実業家・プロ市民の3人が立候補しており、普通に考えると既に結果は見えているような・・・

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2005年10月 8日 (土)

自治体全額出資の人材派遣会社

香川県善通寺市といえば弘法大師ゆかりの歴史ある都市ですが、ご多分に漏れず財政は苦しく(自衛隊の駐屯地はあるものの大規模な工場はほとんどない)、現在の市長は「小さな市役所」を目指しており、その一環として市が100%出資する「善通寺市総合サービス」という人材派遣会社を設立し、11月1日から業務を開始します。現在各課が個別に募集している嘱託・臨時・パート職員やアルバイトを全て同社からの派遣に移行することにより効率的な人材配置や事務作業・経費の節減が実現でき、臨時職員の長期雇用という不自然な状態も解消できます。公益法人ではなく株式会社形式にしたのは「利潤を追求する」という意図を明確にするためだそうで、将来は市以外の業務についてもサービス拡大を考えており、最終的には「市の職員数を同社の社員数が上回る」状態を目指しているそうです。

確かに最近は民間企業では派遣や業務請負の活用が一般的になっており、特に工場の生産現場では正社員はコアな業務だけを担い要員の大多数は非正社員というのが当たり前です。そうすればコスト削減はもちろん業務の繁忙に応じて人員配置を自由に増減できますから、もはや人件費は「固定費」ではなく「変動費」の時代ですね・・・ 官公庁の世界でも最近は現場業務の民間委託が進んでいるものの、民間と違っていったん採用した職員は簡単にリストラするわけにはいかず、定年退職などによる自然減で間に合わない分は他部署への配置転換が必要で、なかなか思い切った削減はできません。最初から自治体直営の人材派遣会社で採用しておけば、人件費の削減効果は抜群ですし、仕事が少なくなったときの対処も楽です。雇用される側にとっても、自治体直営という安心感がありますし・・・

今後数年で団塊の世代が次々に定年を迎えるわけで、数年後にはこのような会社が全国各地に広がっているのではないでしょうか。

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2005年10月 1日 (土)

全日空、国内線航空券の支払期限を大幅繰り上げ

全日空は9月26日、10月1日以降予約・12月1日以降搭乗分について国内線航空券の支払期限の変更を発表しました。 http://www.ana.co.jp/pr/05-0709/pdf/05-136.pdf

普通席の予約変更が可能な運賃については、これまで搭乗便の定刻20分前までに支払えばOKだったのが、搭乗日の3日前以前に予約した分については予約日を含め3日以内に支払わなければならないことになりました。つまり2001年5月までと同じに戻るわけですね・・・ この運賃を利用することが多いビジネス客にとっては、「空港でチェックインする際に運賃を支払えば良かったのが、3日前以前に予約した場合はそれができなくなる」わけで、ちょっと不便になります・・・ ネット経由での購入ならば同時にクレジットカードでの決済まで可能ですが、キャンセルの際には取消料がかかってしまいます。

その理由ですが、上記リリース文では「予約した便に搭乗されないお客さまの割合は、2004年度の実績で、約8人に1人となっています。このため、予約段階では満席であっても、ご搭乗時には空席のある便が多数にのぼり、お客さまの利用機会が損なわれる結果となっております。」(カギカッコ内引用)とあります。確かに利用者から見ればそのとおりですが、会社側から見れば「事前に予約がキャンセルされていればその分について別の客を乗せることにより収入を得られたはずなのに(しかも利益率の高い普通運賃)、みすみすそれを逃してしまう」という事例が多発していたわけで、燃料油価格の高騰で収益が圧迫されている昨今、支払期限繰り上げ=NO SHOW(連絡なしのキャンセル)の防止というのは簡単に出来てしかも収入増の効果が大きい施策ですね・・・

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2005年9月26日 (月)

土木建設業者が農作業を代行

上毛新聞のサイトに、9月19日付で以下のような内容の記事が掲載されました。

群馬県吾妻郡の一部地域で、地元の土木建設業者が水稲栽培の農作業を代行する取り組みが広がっている。業者側がJAに申し出たもので、代行の対象は施肥・水管理・除草作業以外の一連の農作業となっており、全てを委託した場合でも農家側に収益が上がるような料金設定になっている。実績のほうは、昨年が耕起13件・あぜぬり12件・荒代かき15件・田植え11件だったのに対し、今年はそれぞれ15件・61件・45件・42件と順調に伸びており、JAも受託事業による地域の農業の維持に大きな期待をかけている。

農林業の衰退と公共事業の進展により、現在では日本の中山間地域の主要な産業は全国どこでも「土木・建設業」となっており、どんな過疎の山村であっても土木・建設業者のないところはありません。しかし、小泉政権の構造改革により、相対的に費用対効果の落ちる過疎地の公共事業は縮小の一途を辿っており、これら業者も経営が苦しいところが増えています。さらに、中山間地域は農家一戸あたりの耕作面積が少ないために相対的にコスト高となり、農業のほうも現状のままでは発展の余地は全くなく衰退していくだけです・・・

このユニークな試みは、こういった農家にとっても土木建設業者にとっても双方にメリットがあり、まさにビジネスで理想とされる「WIN-WIN」の関係ですし、農作物の生産コストも削減できます。これが(面積では国土の大半を占める)全国の中山間地域に広がれば、大いに地域活性化につながることでしょう。

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2005年9月21日 (水)

グローバリー・その後

7月5日8月5日に当ブログで紹介した商品先物大手「グローバリー」のその後です。

9月30日限りでの商品先物業務からの撤退が決まっている同社ですが、9月中旬になってもそれに代わる新規事業のメドが立っておらず、さらに従業員も思ったように?辞めてくれないため毎月大量の赤字を出し続けています。9月16日付で固定資産の減損会計適用による特別損失の発生と業績の下方修正および株主優待制度の廃止を発表しましたが、その内容たるや悲惨の一言ですね・・・ 何せ上半期の経常赤字が営業収益の6倍以上になるわけですから。さらに下半期は今の調子だと営業収益がほとんど見込めなくなるわけですし、こんな会社にスポンサーもつくあてはないでしょう・・・ 金貨の株主優待目当てに同社の株を購入していた個人投資家も株価の低迷ともども裏切られた重いが強いのでしょうが、全ては 自業自得 です。

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2005年9月19日 (月)

昭和電線電纜

「電纜」といっても一般の方にはなじみがない言葉かと思いますが、「ケーブル」を日本語に訳するとこうなります。「纜」という漢字は二十八画もあり、ワープロのない時代は書くのが大変だったことでしょう。

この言葉を社名に使っている上場企業があります。東芝系列の電線・ケーブルメーカー「昭和電線電纜」で、英文社名は「Showa Electric Wire & Cable Co.,LTD」です。昭和11年創業の伝統企業で、「東芝」という名称をあえて冠さないのがプライドの証ですね。しかし・・・

同社は9月8日、持株会社体制への移行を発表しました。
http://www.swcc.co.jp/news/pdf/press170908.pdf
平成18年4月1日をもって同社の商号は「昭和電線ホールディングス」に変更され、その下に本体から分離される事業会社3社(いずれも「昭和電線**」という社名)と子会社がつくことになります。このことは、社名からついに「電纜」という名称が消えることを意味しているわけですね・・・

これで、「纜」という難しい漢字が各種印刷物で使われる頻度は大きく減ることでしょう。

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2005年9月14日 (水)

絶対にきれいにできない水路

北國新聞のサイトに、9月5日付で以下のような記事が掲載されました。

http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20050905005.htm

金沢駅前に整備された人工の「せせらぎ水路」の美観を保つために地元企業や住民が清掃活動を行っているのですが、その水路の水が外部の水系とつながっておらず単に循環しているだけなので、せっかくきれいにしても約30分で汚れが浮いた水が戻ってきてしまい、何にもなりません。管理者の金沢市によれば、水量を増やしても汚れはほとんど流し出せなかったそうで、浄化装置を設置できず薬剤を使うこともできないのだそうです・・・

どうやら、この水路を設計された方は、水路が汚れてきて清掃作業を行わなければならなくなることまで考えていなかったのかも。まあ、水を全部くみ出して人海戦術で対応すればいいのかもしれませんが、相当な費用がかかりそうですね・・・

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